星野岱石(ほしのたいせき) <本名:星野一夫>(1919~2012年)
一時途絶えていた小久慈硯の復活と技術伝承に尽くし、現在の小久慈硯を世に出した。
元大子第二高等学校職員だった岱石さんは、子どもの頃に父親から「小久慈の槐沢に、水戸徳川家で愛用した硯石がある」と幾度となく聞かされていました。
小久慈硯を復活させるため,昭和32年小久慈槐沢で石を拾い集め、自宅で硯を作り始めました。失敗を繰り返しながら、試行錯誤の末に約10年の歳月をかけ小久慈硯を完成することができました。
その後、文人硯として長い歴史と伝統をもった小久慈硯に対し、硯の愛好家や書家が関心を寄せ、制作依頼がくるようになりました。
この間、岱石さんの彫った硯は、茨城県知事や茨城県議会議長から各界著名人等に贈呈されています。
岱石さん達の努力により、小久慈硯は、広く世間から認められるようになり、日本を代表する硯の一つとして現在に至っています。
小久慈硯の中興の祖である岱石さんが製作した硯は、きらびやかな派手さはありませんが、素朴な中に凛とした力強さと美しさを兼ね備えた作品です。
星野さんの作品
主な経歴
大正8年
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大子町に生まれる
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昭和32年
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小久慈硯の製作をはじめる
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昭和61年
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茨城県知事褒賞
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昭和63年
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茨城県郷土工芸品・製作者指定
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平成8年
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茨城県優秀技能賞
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平成10年
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茨城県功績賞
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平成13年
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茨城県立歴史館買い上げ(永久保存)
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平成24年
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死去93歳
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こぼれ話
「天皇にも上げられない」
第27回全国植樹際が昭和51年に大子町で開催された際、茨城県から昭和天皇への献上品として、星野岱石さん製作の小久慈硯の話が持ち上がりました。
岱石さんは、最上質の小久慈石を使い精魂込めて硯を製作し、自分でも惚れぼれする見事な硯ができあがりました。しかし、あまりの出来栄えに手放すのが惜しくなり、数日間考えた末に、良い作品が出来なかったと、献上を見送ってしまたそうです。
写真がその硯で、およそ縦30センチ・横25センチ厚さ6センチの立派な作品で、自分で大切に持っていたそうです。
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- 2009年12月7日
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