くらし・行政

【移住者通信Vol.2】大野さん夫妻

大野博史さん・喜志子さん

移住者通信1

なぜ大子町に移住したの?

 博史さんの実家が大子町にあります。高校まで大子町で育ち、当時は川で釣りなどを良くしていた思い出があります。
 喜志子さんも、今まで一緒に大子町を訪れたことがあり、何度か訪れるうちに接するようになった人達、近所の人達が良い方ばかりでした。それが大子町を選んだ一番の理由です。

 移住前は都心で家具工房を営んでいましたが、昨年、工場が売りに出されることになってしまいました。新たな工場を探したりもしたが、コロナ禍といこともあり、移住も検討するようになりました。

今までの経緯は?

 都内で什器や家具の製造や店舗などのデザインなどをする会社を経営していました。飲食店や小売店、歯医者などの什器をオーダーで製造することが多かったです。変わったところだと、千葉ロッテマリーンズの球場(ZOZOマリンスタジアム)など大がかりな施設デザインなども携わりました。自分の家の棚やテレビ台なども手造りです。

4移住者通信

今の生活は?

 昨年の9月ごろから畑の耕作を始めました。最初は荒れ地で耕しても大きな石がゴロゴロ出てきましたが、一輪車がボロボロになるまで石や草の根を運んで、やっと半年ほどで耕作出来るようにまでなりました。猪よけの柵も、竹を自分たちで調達し、手造りで柵を設置しています。最初はタマネギを栽培し、今年はブロッコリー、トマト、なす、キュウリ、白菜、キャベツ、レタス、ネギ、ほうれん草、ニンニク、ニラ、にんじん、大根など色んな野菜を育てています。自分たちで育てた野菜や新鮮でとても美味しく、最高の贅沢に感じています。畑の奥には湿った場所になっているので、穴を掘って池にしてある。メダカを育てるなど庭いじりも楽しんでいます。

 畑は土を作ることが大事だと思っています。土壌改良のため「燻炭(くんたん)(くんたん:籾を炭状にしたもの)」や「腐葉土」を自分で作り、土作りにも挑戦をしています。

移住者通信2

 家のことも自分たちで出来るだけやっています。棚づくりはもちろん、家の外壁塗装や屋根の塗装も自分たち。色んなことに挑戦しながら大子町での生活を楽しんでいます。

 あと最近はシルバー人材センターに登録をしたので、ちょっとした仕事もしています。家やお墓などの掃除をしたり、庭の草引きなどが多いです。知らない場所や人を知ることが出来て、良いコミュニティになっています。

移住者通信3

今後挑戦したいことは?

(博史さん)
 今年野菜を育て、葉に栄養が行き過ぎてしまったように思います。今度は土の中の作物(サツマイモなど)にも栄養が行くような土作りに挑戦していきたいと思っています。もちろん、自分の家具づくりや家具修理の仕事なども出来たら良いなと思っています。

(喜志子さん)
 趣味を兼ねて燻製づくりをしてみたいと思っています。アメリカにいるときに知った燻製機とチップを買ってきてもらったので、町内の鮎やニジマスを養殖所から仕入れて挑戦してみたいです。あと、夢は女性の憩いの場を作りたいという希望があります。仕事や家事など働く女性がほっと一息つけるようなカフェを作るのが夢です。

大子町を自分でPRするとしたら?

(喜志子さん)
 大子町は「ちょうど良い田舎」だと思います。

 この環境を知って馴染んで行くことで幸せだなって感じることが出来ています。自分次第なところもありますが、そういった生活を作っていくことが出来るのが魅力かなと思います。野菜もお店で買えば良いと思っていましたが、実際に自分たちで作るとやっぱり美味しいし全然違う。作った人だけが味わえる特権のようなことがあります。それを近所の人と分け合えることが最大のご褒美です。無農薬で作る野菜はとても美味しくて最高です!

(博史さん)
 近くに無料で温泉がもらえる場所があり、家のお風呂に引き込めるように改修したので、温泉も楽しめます。ちょっとしたことで幸せを感じることが出来る町です。

(喜志子さん)
 美味しい空気や野菜はもちろん、私が好きなのはキッチンから見える景色です。車も少なく、静かで精神衛生上とても良いなと思っています。

 都市部から近すぎず遠すぎず。人との距離感も「ちょうど良い田舎」だと思っています。

大子町に望むことは?

(博史さん)
 家具製作など自分の技術を若い人に伝えたい。家具製作・家具修理が出来る人が減っていってしまうので、そういった技術の伝承が出来るような制度があると良いなと思っています。