大西勲(おおにし いさお)
大子漆使用作家・大西さんが作る曲輪造(まげわつくり)は、薄いヒノキ板を曲げた輪を、何重にも接着して器をつくり、隙間なく重ねた素地に下地、上塗りと漆を塗り、仕立てる大変手間がかかる高度な技法で、漆の精製から作品の完成まで、すべて1人で仕上げ、年に数点しか作ることができません。
主な経歴
昭和19年
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福岡県中間市生まれ
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昭和49年
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漆芸家で人間国宝の赤地友哉氏に師事
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平成5年
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第40回日本伝統工芸展文部大臣賞受賞
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平成9年
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第14回日本伝統漆芸展朝日新聞社賞受賞
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平成10年
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第15回日本伝統漆芸展文化庁長官賞受賞
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平成12年
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第17回日本伝統漆芸展東京都教育委員会賞受賞
第47回日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞受賞 |
平成14年
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第49回日本伝統工芸展山種美術館賞受賞 |
石川県輪島漆芸技術研修所講師 茨城県下館市在住
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凛としていて繊細な大西さんの作品
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曲輪造黒溜盛器
第47回日本伝統工芸展 (日本工芸会総裁賞) |
曲輪造溜塗盛器
第48回日本伝統工芸展 |
曲輪造盛器
第39回日本伝統工芸展 |
曲輪造朱溜重盆
第46回日本伝統工芸展 |
人間国宝が語る小久慈硯『漆芸家:大西勲さんに聴く』
【漆黒の小久慈硯】
小久慈硯を太陽の光に当てるとキラキラと輝く黄銅鉱が肉眼で見ることができます。この硯の丘に水を数滴注ぎ、墨をゆるゆると動かすと、当たり具合も程よく、丘から海へ押しやり、また、数的の水を丘に入れ、ゆるりゆるりと気の向くまま繰り返しくりかえし、丘から海へと淡々と磨っていき、海が海らしく溜まるころ、この硯を作っている方のことを思います。素朴で粋な小久慈硯を手仕事で一つひとつ作り、世に送り出している方たちのことを・・・
「派手さは無いんですが、凛とした力強い小久慈硯の力を借りると、書をたしなまない私が、味わいのある良い字を書くことができるのです。
【磨ること研ぐこと】
自分は刃物を使用して曲輪造・鎌倉彫を彫ります。いろいろな刃物を使用しますので、刃物は常に研ぐことが仕事です。漆の仕事も研ぐことが一番大切な仕事であり、研ぐということ磨ることはどこがどう違うのか・・・深く考えれば行きつくところは同じようにも思うんです。
硯に墨、筆に和紙、そして漆の仕事も長いながい歴史の上に生き続けていて、これからも継承していかなければならないと思うんです。
そんなことを思いながら、墨を磨り、刃物を研いでおります。
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- 2021年2月16日
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