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大子漆(だいごうるし)の紹介

大子漆について

漆(うるし)大子町は良質の漆(うるし)が採れる産地です。
岩手県に次ぐ全国第2位、そのほとんどが大子町で生産され、栃木県那珂川町など周辺地域で採取されるものを含めて「大子漆」と呼んでいます。大子漆は圧倒的に透明度が高く、上質で美しい艶が最大の特徴です。そのため輪島塗や春慶塗など高級漆器の仕上げ用に使われているほか、国宝建築の修復にも採用されています。また、人間国宝(重要無形文化財)に認定されている漆芸家・大西勲氏ほか有名作家にも用いられ、優れた作品を生みだしています。

 

 

 

漆の木

漆の木

漆の木は中国を原産とするウルシ科の落葉高木で、漆が採取できるまで10年ほどかかります。




 

 

漆かぶれ

漆かぶれ漆かぶれ(大子では漆まけ)は、樹液などに触れてかぶれますが、肌の弱い人は葉に触れただけでもかぶれます。かぶれると、始めに炎症をおこしかゆくなり、しばらくすると水泡ができます。体質によっても、かぶれ方に差があります。漆を掻いている人でも、年に数回はかぶれるそうです。沢蟹をつぶして汁を塗ると良いと昔から言い伝えられていますが、病院へ行くことをおすすめします。

 

漆掻き

漆掻きは、6月から10月頃まで行われ、真夏の8月頃に取れる盛物(さかりもの)が上質と言われています。

【工程】

成長した漆の木「辺(へん)」と呼ばれる傷をつけ、その掻き口から出る漆を採取します。掻きたての漆は白く、甘い香りがします。漆は1本の木から200CCほどしか採取できません。採取した時期より、透明感や粘度などの品質が異なり、用途に合わせて使い分けます。

 

 

原産地

現在、日本で使われる漆のうち、国内で採取されるものは僅かで、90%以上は価格が安い中国産を占めています。(価格は国内産の約10分の1)。
大子町では職人の高齢化も進んでおり、職人の育成と上質な大子漆の継承が重要課題となっています。

 

数字で見る大子漆

【漆の産出県 (令和3年度)】

都道府県 生産量
岩手県 1,672キログラム
茨城県 273キログラム
福島県 36.7キログラム

※令和3年特用林産基礎資料(編集・発行:農林水産省)より

【生漆の組成例(%)】

生漆の種類
水分
主成分
含窒素
ゴム質
大子漆
20.1
72.3(ウルシオール)
1.5
6.1
日本産(他産地)
25.1
67.3(ウルシオール)
2.1
5.5
中国産
27.5
65.0(ウルシオール)
2.2
5.3
ベトナム産
32.5
52.5(ラッコール)
2.0
13.0
ミャンマー産
26.8
69.5(チチオール)
2.5
1.7

上記数値は、調査年月日が同一ではありません。

 

 

うるわしきジャパン

漆を塗った製品は、古くは縄文時代の出土品からも多く見つかるほど、私たちの生活の中にとけこんでいます。
外国では漆器のことをジャパンと呼び、その容姿の艶や塗り肌を表現した言葉の「うるわしい・うるおう」が語源で、「うるし」と呼ばれようになったと言う説もあります。
漆塗り物には、独特の美しさがあります。神秘的な光沢、格調高い色合いは、年月がたつにつれ深みを増していきます。
また、優美さだけではなく、天然素材の漆は地球環境にやさしい無公害の塗料で、防水性や腐食性に対する耐久性、耐薬品性(酸・アルカリ・塩分)にも強い優れた素材です。
以上紹介したように、優れた素材の漆器を高級品だと思わずに、日常生活の中で気軽に使ってみてはいかがですか。
陶器より手ざわり、口あたり良く。熱にも強い。合成洗剤もOK。

 

 

本物が欲しがる一流

漆芸の「きゅう漆」という技法で、人間国宝に認定されている下館市在住の大西勲さんも30数年来使用しているのが大子漆(全工程)です。
大西さんは、大子漆は品質が良いと言います。透明度が高く質の良い漆は、大西さんにとって無くてはならないものです。
「お金を出し、次からつぎと新しい物を買うのではなく、一つのものを長く大切に使ってほしいと思います。それができるのが漆器です。」と話しています。
⇒「大西勲さんの略歴(作品画像)」はこちら

 

 

大子漆について

漆掻きで、大子町西金在住の桐原道明さんからのお話しです。
⇒「桐原道明さんからのお話し」はこちら

 

NPO法人麗潤館について

国産漆の振興のため大子町に拠点を置くNPO法人です
⇒NPO麗潤館のホームページはこちら

 

 

問合せ先

一般社団法人 大子町特産品流通公社(新しいウインドウで開きます)

〒319-3526

茨城県久慈郡大子町大子636-1

TEL:0295-76-8220

 

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