RSウイルス感染症予防接種
RSウイルス感染症とは
RSウイルスは小児や高齢者に呼吸器症状を引き起こすウイルスで、生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされています。
感染すると、2~8日の潜伏期間ののち、発熱、鼻汁、咳などの症状が数日続き、一部では気管支炎や肺炎などの下気道症状が出現します。初めて感染した乳幼児の約7割は軽症で数日のうちに軽快しますが、約3割では咳が悪化し、喘鳴(ゼーゼーと呼吸しにくくなること)や呼吸困難、さらに細気管支炎の症状が出るなど重症化することがあります。2010年代には、年間12万人~18万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、3万人~5万人が入院を要したとされています。また、入院例の7%が何らかの人工換気を必要としたとする報告もあります。
定期接種の対象者とスケジュール
接種時点で、妊娠28週0日から36週6日までの妊婦の方
※過去の妊娠時に組換えRSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)を接種したことのある方も対象になります。
接種スケジュール
妊娠28週0日から36週6日までの間に1回接種。
※接種後14日以内に出生した乳児における有効性は確立していないことから、妊娠38週6日までに出産を予定している場合は医師に相談してください。
定期接種に使用するワクチン(母子免疫ワクチン)
生まれたばかりの乳児は免疫の機能が未熟であり、自力で十分な量の抗体をつくることができないとされています。母子免疫ワクチンとは、妊婦が接種すると、母体内で作られた抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、生まれた乳児が出生時から病原体に対する予防効果を得ることができるワクチンです。
RSウイルス感染症に対する母子免疫ワクチンとして組換えRSウイルスワクチン(ファイザー社のアブリスボ®)があります。なお、組換えRSウイルスワクチンのうち、アレックスビー®(GSK社)は母子免疫ワクチンとして用いることはできません。
ワクチンの効果
妊婦の方が妊娠中に接種することにより、出生後の乳幼児のRSウイルス感染による下気道感染症(肺炎・気管支炎等)に対する予防効果が認められています。
| 有効性(※1) | ||
|---|---|---|
| 日齢0日~90日 | 日齢0日~180日 | |
| RSウイルス感染症による 医療受診ワクチンの安全性を必要とした 下気道感染症の予防 |
6割程度の予防効果 | 5割程度の予防効果 |
| RSウイルス感染による 医療受診を必要とした 重症(※2)下気道感染症の予防 |
8割程度の予防効果 | 7割程度の予防効果 |
※1 妊娠24週~36週の妊婦を対象としています。
※2 医療機関への受診を要する気道感染症を有するRSウイルス検査陽性の乳児で、多呼吸、SpO2 93%未満、高流量鼻カニュラまたは人工呼吸器の装着、4 時間を超えるICU への収容または無反応・意識不明のいずれかに該当と定義しています。
ワクチンの安全性
ワクチンを接種後に副反応がみられることがあります。主な副反応には、接種部位の症状(疼痛、腫脹、紅斑)、頭痛、筋肉痛があります。
また、海外における一部の報告では、妊娠高血圧症候群の発症リスクが増加する可能性があるという報告もありますが、結果の解釈に注意が必要であるとされています。薬事承認において用いられた臨床試験では、妊娠高血圧症候群の発症リスクの増加は認めませんでした。
接種を受けられない方
以下の方は、接種を受けることができません。
- この予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがある方
- その他、予防接種を行うことが不適当な状態にあると医師が判断する方
また、以下のような場合は接種を受けることができませんので、治ってから受けるようにしてください。
- 発熱している。
- 重篤な急性疾患にかかっている。
接種に注意が必要な方
以下の方は、接種にあたって注意が必要なので、あらかじめ医師に相談してください。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有する方
- これまでに、予防接種を受けて2日以内に発熱や全身の発疹などのアレルギー症状があった方
- けいれんを起こしたことがある方
- 免疫不全と診断されている方や、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- 組換えRSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)の成分に対してアレルギーを起こすおそれのある方
- 妊娠高血圧症候群の発症リスクが高いと医師に判断された方や、今までに妊娠高血圧症候群と診断された方
- 血小板減少症や凝固障害を有する方、抗凝固療法を実施されている方
予防接種被害について
定期接種等によって、接種を受けた方に何らかの健康被害が発生した場合に、医療費・障害年金等を給付する制度があります。
予防接種の副反応による健康被害は、極めて稀ですが、不可避的に生ずるものですので、接種に係る過失の有無にかかわらず、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を迅速に救済するものです。
予防接種法に基づく予防接種を受けた方に健康被害が生じた場合、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、市町村により給付が行われます。
申請に必要となる手続き等については、予防接種を受けられた時に住民票を登録していた市町村にご相談ください。(厚生労働大臣の認定にあたっては、第三者により構成される疾病・障害認定審査会により、因果関係に係る審査が行われます。)
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- 2026年2月27日
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