くらし・行政

【移住者通信Vol.3】比留間さん夫妻

比留間祐也さん・玲美さん
Michiru Bakery(ミチルベーカリー)
移住者通信2-1

なぜ大子町に移住したの?

(玲美さん)
 祖父母の実家が大子町で、水や空気が綺麗な大子町を気に入っていました。子どもが小児ぜんそくのため、1歳のころから薬の服用などをしていたのですが、移住前に住んでいた場所は高速道路のすぐ脇で、常に車が行き交う場所なので、外でのびのび遊ぶことが出来ませんでした。このまま我慢しながら都会で住み続けるより、空気の綺麗な場所で生活したいと思い、祖母の実家である大子町に移住しました。

(祐也さん)
 元々、自分がいる地域の外に出て何かやりたくなる性格なため、田舎に行って挑戦することに抵抗はありませんでした。今までにも何回か来たことはあり、自然豊かな町だと知っていたので、大子町への移住を決めました。

今までの経緯は?

(祐也さん)
 美容師として会社に勤務していました。一日に40名ものお客さんのカットをするなど、疲れやストレスを感じることが多かったです。移住してからもカットハウスなどに就職しましたが、今は妻と一緒にパン屋のお手伝いや家事、子育てをする毎日です。

(玲美さん)
 私は都内で、スーパーでパートなど、子どもを預けながら働けることをやっていました。

(祐也さん)
 子どもは3人欲しいと夫婦で話していたので、3人目が生まれたときに妻を家事などから少しでも解放させてあげたくて「何かやりたいことある?」と聞いたところ、「パン屋さんがやりたい」と話しになりました。

(玲美さん)
 ずっと何かお店をやりたいと思っていたところ、パート先でたまたまパン教室の先生と知り合い、その先生がセミプログランプリを受賞するなど本格的にパン作りをしている人でした。そんな出会いがあり、パン屋さんをやってみたいと思うようになりました。
 子どものぜんそくもあって、このままの生活をするよりも思い切って田舎でパン屋さんに挑戦しようと思い、大子町で住むところやお店を探し始めました。紆余曲折ありましたが、協力してくれる人もたくさんいて、何とかオープンすることが出来ました。まだ始まったばかりで大変なこともありますが、インスタグラムに投稿するとすぐ来てくれる人がいたり、田舎ならではのコミュニケーションや人間関係が心地よいです。
移住者通信2-3

 

今の生活は?

 基本的には、パン屋の仕事を夫婦2人でしていますが、忙しいので玲美さんのお母さんにも手伝ってもらっています。夜中(午前2時ごろ)からパンを焼き始め、午前10時にはお店に並べるので、それまではずっと準備に追われてしまいます。パンに使う「明太子バター」なども全て手造りです。焼き菓子なども手造りなので、休む暇がないくらい忙しくなってしまいます。午後のお客さんが落ち着いてきた頃から、翌日の仕込みを始め、家に帰るのは夕飯時になってしまいます。母に梱包や洗い物などを手伝ってもらっていますが、もっと効率よく仕事が出来るようにしたいと思っています。

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 週に2日休みがあるので、子どもと大子広域公園や憩いの森などに遊びに行くこともよくあります。夫婦で協力しながら子育てもして、大変ながらも充実した生活が送れています。

(玲美さん)
移住してすぐに町内でゲストハウスや雑貨屋、コーヒースタンドをしている人など、たくさんの人が協力してくれたり、何かと巻き込んでくれました。そういった人との関係も良く、一緒に何かやれるのがすごく嬉しいし楽しいです。

今後挑戦したいことは?

(祐也さん)
 カットハウスを退職したので、パン屋さんが軌道に乗ったら、自分のカットハウス・美容室をやりたいと思っています。今までは会社で働いていたので、お店の名前でカットしていましたが、これから「比留間」に切ってもらいたい。と言われるようなお店を自分で作っていきたいです。まずは妻と一緒にパン屋さんでやっていくことが、これからしばらくの挑戦になると思います。

(玲美さん)
 始めたばかりのパン屋さんが忙しいので、上手く軌道に乗せられるようにしていきたいです。仕事だけでなく、家族との生活のために移住をしてきているので、その目標に向かって頑張りたいです。

大子町を自分でPRするとしたら?

 子どものぜんそくが驚くほど良くなりました。外を走り回る子どもを見る度に感動しています。空気が綺麗だし、周囲の人に何か言われることもないので安心して遊べます。

 子どもが野菜を全然食べなかったのに、こっちでは食べるようになったことにも驚きました。空気の綺麗さと野菜の新鮮さに驚きです。

 自分たちも、都会では仕事や対人関係でストレスが多く、イライラしていることが多かった気がしますが、そういったストレスも無くなりました。人が少なく、自然豊かな大子町はすごく魅力です。

 よく田舎は仕事がないと言う人がいますが、それで諦めてしまうのはもったいないと思います。自分のスキルを活かした仕事を作れるチャンスがたくさんあると思います。どうすれば良いか考えるのが楽しい人にとっては、大子町はどんな業種でもチャンスがあり、挑戦しがいのある場所だと感じています。

 自分たちは仕事のある東京でストレスを抱えながら生活するよりも、挑戦できる環境を選びました。空気が綺麗で、野菜も美味しい。仕事終わりに温泉にも行ける。移住にはメリットばかりでした。

 あと、何かしらのプロが近くにいます。釣りがしたいと話すと釣り名人を紹介してもらえる、何かしたいと話すとみんなが親切に名人を探してくれるので、とてもありがたいです。こんなに色んな世代の人と話す機会は今まで無かったので、自分の成長にもなりますし、刺激を受け取ることが出来ます。

大子町に望むことは?

 大子広域公園や憩いの森に和式トイレしかないことです。子どもと遊ぶと使い方が分からないので困ってしまうことがあります。好きな公園だから綺麗な洋式トイレがあればいいなと思ってしまいます。あと、商店街や川沿いの歩道など雰囲気が良くて好きなので、そういったところにちょっと座れるベンチが欲しいです。ちょっと本を読んだり、景色を眺めたりしたいです。
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