くらし・行政

【移住者通信Vol.11】和田さん一家

和田わださん一家(和田真寛さん、沙央理さん、お子さんたち)

 和田真寛まさのりさん、沙央理さん、お子さんのご一家。

 令和3年10月、空き家バンクを通じて大子町後山うしろやま地区にある、高台で見晴らしの良い大谷石の蔵付き古民家を購入、その後、東京都北千住との二拠点生活をしながらリフォームを進め、令和5年9月に一棟貸しの宿「大谷石の蔵サウナと古民家宿 DAIGO SAUNA」をオープンさせた。
 現在は、大子町だいごまち駅前商店街活性化プロジェクトの中心メンバーとして携わるなど、町の活性化に向け活動の幅を広げている。

 

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DAIGO SAUNA 公式ホームページ↓
大谷石の蔵サウナと古民家宿 - DAIGO SAUNA -

DAIGO SAUNA 公式インスタグラム↓
DAIGO SAUNA - 大谷石の蔵サウナと古民家宿 -(@daigo_sauna) • Instagram写真と動画

 

なぜ大子町だいごまちに移住しようと思ったの? これまでの経緯は?

(真寛さん)
 私の父母が大子だいご出身で、妻の父も大子だいごの出身なんです。なので、はじめから大子町だいごまちで空き家を探していて、他の地域を見ることはありませんでした。

 2014〜15年ごろ、「人生の楽園」などのテレビ番組を見て田舎暮らしに興味を持ち、「いつかは茨城に関わって、茨城で仕事をしたい」と漠然と考えていました。
 そんな折にコロナ禍となり、飲みにも出かけられず、暮らしが息苦しく感じるようになっていました。ちょうどその頃、次女が生まれた日が、全国に緊急事態宣言が発出された日でもあり、いろいろな感情が交錯して、人生観が大きく変わったタイミングでもありました。

 そんな中、建築家の友人が「広い敷地を買って事務所をつくった」と話していて、遊びに行かせてもらううちに、「自分たちも大子に空き家でも買って、ちょっと人生を楽しんでみようか」と思うようになりました。
 もともと田舎暮らしへの憧れがあったので、コロナをきっかけに、暮らしの優先順位ががらっと変わった感覚でした。

 

和田さん

 

移住を考えるようになってから、空き家購入までの経緯は?

(真寛さん)

 空き家を3件ほど見て回りました。初原はつばらなども候補にありましたが、土地勘がなかったので、今の物件を見つけた瞬間「ここしかない」と感じました。
 一級建築士として空き家再生の仕事をしていたので、ローンやリフォームの段取りも比較的スムーズに進められました。

 

(松田さん)

 二地域居住の居場所として利用するのかと思っていたのですが、「自宅兼一棟貸しの宿」に整備されたので、とても斬新な発想だなと感じました。そういった構想は、はじめから持っていたのですか?

 

(真寛さん)

 最初は気軽に民泊をやろうと考えていましたが、遊びに来た友人や知人の反応がとても良くて、「もっと投資して良い場所にしよう」と思うようになりました。
 営業許可としては、旅館業法の「簡易宿所」になります。

 

(松田さん)

 元々あった立派な蔵をどう使うんだろうと気になっていましたが、サウナにするという発想には驚きました。同じ一棟貸しでも、珍しい蔵のサウナが付いているという点は大きな付加価値になっていると思います。

 

(真寛さん)

 県内では3事例目の蔵サウナでした。サウナの質で言えば、石造なので、木造と比べてより湿度が高くなる特徴があります。

 

DAIGO SAUNA

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現在の生活や取り組んでいることはどんな感じ?

(真寛さん)

 子どもたちが成長してきたので、以前より大子だいごに来る頻度は減りましたが、その分 DAIGO SAUNA の稼働を高められるようになりました。
 東京の友人や経営者仲間を大子だいごに招いて、地元のシードルや奥久慈しゃもなどを振る舞いながら、イベントのアテンドや地域紹介をしています。

 仕事の割合としては、東京での建築の仕事が5割、古民家宿とサウナの運営が2割、残り3割が大子だいごの商店街活性化に関する取り組みです。
 サウナの受付や清掃などは、元地域おこし協力隊の飯田さん、そして坂尾さん(奥さま)が手伝ってくれています。最近では、SNSでの発信やプロモーションもお願いしています。
 また、商店街の元シューズショップの小泉さんも手伝ってくれていて、二地域居住のテレビ番組に出演した際も、一緒にインタビューを受けました。

 

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今後挑戦したいことは?

(真寛さん)

 商店街やまち全体がもっと面白くなるような仕掛けをしていきたいです。
 宿やお店、イベントなどを通して、「こんな店があったら楽しい」「このまちにしかない体験ができる」と感じてもらえる場所を増やしたいですね。お店だけじゃなくて、事業者がフランクに集まってワイワイできるような場所とか、そこで仕事もできてお酒も飲めて…そういう場所が大子だいごには必要かなと思っています。
 都内や他の地域で盛り上がっている場所を訪れると、「こういう世界観が大子だいごにもあったらいいな」と思うことが多いです。地域の枠にとらわれすぎず、ちょっと“はみ出す”くらいの新しい挑戦をしていきたいと思っています。

 

大子町だいごまちを町外の人にPRするとしたら?

(真寛さん)

 やっぱり農業が魅力ですね。りんご園さんやお茶園さんにもよく足を運んでお話を聞きますが、本当に面白い取り組みが多いです。こんにゃくも美味しいし、お米もずっと大子だいご産を食べてきたので、農業の素晴らしさは身にしみています。

 それに加えて、僕が特にハマっているのが「奥久慈しゃも」。夏は炭火焼きで、冬は鍋で楽しんでいます。高たんぱくで低脂質、味わいと食感が素晴らしく、大子だいごを代表する食材だと思います。

 DAIGO SAUNAでは、知人の農家さんから食材をいただいてゲストに振る舞うこともあり、とても喜ばれています。町内に加工・製造の拠点が増えれば、もっと地元産品が循環するはずです。大子だいごには、まだまだ伸びしろのある分野がたくさんあると感じています。

 

今後の大子町だいごまちに望むことは?

(真寛さん)

 特別に「こうしてほしい」という要望はあまりありません。主語は“町”ではなく“自分”でありたいと思っています。
 その上で言えば、滝に頼らない自立した産業が育っていく町になってほしいです。

 町の若い人たちには、大子だいごの外にも目を向けて、盛り上がっている地域の取り組みを見に行ってほしい。外を知ることで自分の町の良さにも気づけて、誇りを持てるようになると思います。
 観光シーズンに左右されない事業が増えていけば、お互いに切磋琢磨しながら、町全体の底力が上がっていくと感じています。

 

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