くらし・行政

【移住者通信Vol.4】竹中さん夫妻

竹中善彦さん・美千代さん
アンティーク雑貨&こぢんまりカフェ葵陽(きよう)
移住者通信4-1

なぜ大子町に移住したの?

(善彦さん)
 古民家を探していたところ、大子町の田舎具合が気に入りました。県内で思い切って田舎を探そうと考えたら「大子町」のイメージが強く、大子町を中心に古民家探しを始めました。

(美千代さん)
 もともと水戸市で賃貸物件で商売をしていました。夫婦ともに歳を重ね、ランニングコストや在庫などのことを考えていくと、賃貸では少しずつ不安が芽生え始めました。商品を保管する倉庫が必要だと考えていましたが、どうせなら倉庫だけでなく、商売も出来るような物件が良いと思いながら探していると、大子町の空き家バンクにたどり着きました。
 なかなか条件に合致する物件に出会えませんでしたが、夫が大子町をすごく気に入っていたこともあり大子町に照準を絞り探しました。結果的に観光客など多い大子町では商売をするのにピッタリだったと思います。地域の方も足湯「湯恵(ゆめ)足ゆ」の管理など積極的に活動しているので、地区の勢いのようなものも感じています。
 所有物件を持つということは初期投資はかかりますが、賃貸のようなランニングコストに追われることもなく、資産になるというメリットもあります。大子町という場所は、新たな顧客層の獲得などを目指す自分たちにとって魅力的な場所でした。

今までの経緯は?

 水戸市で商売を始めて15年以上が経ち、私たちも歳を取りましたが、お客様も高齢化してきました。心機一転、新たな顧客層の獲得を目指していました。ここはツーリングなどでライダーも多いので、今まで女性客が多かったお店でしたが、男性客が徐々に増えてきています。
 この空き家は令和3年10月ごろに購入しました。什器や商品を運ぶため軽トラックを購入し、出来る限り自分たちで引っ越しをしようと1か月以上かけて行いました。その後リフォームを始めましたが、冬の寒い時期だったのでとても大変でした。リフォームが進むまではテントで寝たこともありました。床・水回りは業者さんにお願いしましたが、壁塗りなど自分たちでできることは自分たちでリフォームしました。片付けやリフォームは、とても大変でもう二度と経験したくないけれど楽しい経験でした(笑)。

 

今の生活は?

(美千代さん)
 今まで挑戦したいと思っていたカフェを始めることが出来ました。家の間取りを見てカフェスペースのイメージが湧いていました。提供までの時間や食品などのロスを考え、1メニューで始め、「カレーうどん」のセットを提供しています。奥久慈しゃもの鶏肉と卵などを使用し、少し辛めの味付けにしてあるので、コーヒーゼリーなど甘いデザートはお口直しにピッタリです。大子町の特産品「刺身こんにゃく」や台湾などでよく見る「キャベツの甘酢漬け」など自分たちの好きなものも一緒に提供しています。頼んでくれたお客様が残さず食べてくれるので嬉しいです。
移住者通信4-2

(善彦さん)
 今まではマンション生活だったので庭いじりが楽しいです。片付けやリフォームでも外の仕事をメインで行いました。ほかにも夫婦ともにお酒が好きなので、閉店後は何を食べるか。何を飲むか。今日は温泉に行こうかな。などを話すのが楽しいです。水が美味しいので水割りなどお酒も美味しいです。
 今はテレビがない生活をしているので、夫婦の会話が増えています。朝も鳥の鳴き声で起きるなど自然を感じられる環境が気に入っています。

今後挑戦したいことは?

(善彦さん)
 建物の維持管理費が安いという地の利を活かしてネット販売を始めたいが苦戦しています。これから上手く立ち上げられるようにしていきたいと思っています。お店でもキャッシュレス決済を導入したいと考えているので、まずはそういった整備を進めていきたいです。

(美千代さん)
 物件の道路側がまだリフォーム出来ていません。昔は酒屋として利用されていたことを聞いたので、近くの人がちょっと飲んで帰れる場所にしたいです。一人暮らしの方も近くにいるので、みんなが集めれるようなコミュニティにしたいと思っています。

大子町を自分でPRするとしたら?

(善彦さん)
 西金地区は大子町の南側に位置し、水戸方面から来ると玄関口のような地区です。地元の方たちも地区を盛り上げようと頑張っているのが分かります。自分たちも一員として地区を盛り上げられるようになりたいです。
 周りの人は温かい人が多く、ちょっとした会話で困りごとを言うと、次の日には何か持ってきてくれるなど力になってくれます。自分たちは幸運だったのかもしれませんが、興味を持っていただけて、程よい距離感で見守ってくれるのでとても助かっています。

(美千代さん)
 町の南側の地区なので、今まで住んでいた水戸市まで行き来しやすいです。スーパーなども意外と近いので不自由なく生活が出来る場所です。
 大子町で色んな人に助けてもらいましたが、皆さんの対応の早さにびっくりしました。すぐに対応してもらえるのは助かりますし、とても大事なことだと思います。移住してきたばかりの時は地域に馴染めるかなど不安もありましたが、地元の方は空き家の方が不安だから来てくれて有難い。と受け入れてくれたので本当に良かったです。
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大子町に望むことは?

 町には色々とお世話になったので、要望などは特にありませんが、強いて言えば、西金地区は男体山など観光客が多く訪れる地区でもあるのに整備が不十分に感じる場所もあります。温泉の跡地なども含め、そういったところの整備なども進めてもらえると良いなと思います。
 あと、近くに病院などがないことが不安です。いざという時を考えると病院も近くにあると良いなと思います。病院以外も銀行や役場からは離れているので手続きなどで少し苦労をしました。

 

下の画像をクリックすると、インタビューの様子をご覧いただけます。
リンク先は、茨城県北起業型地域おこし協力隊(ProjectE)小林隊員の活動のYouTubeチャンネルです。

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